また一人

プロ野球近鉄オリックスで監督を務め、大リーグの野茂英雄投手やイチロー選手らを育てた仰木彬(おおぎ・あきら)さんが15日午後4時10分、福岡市の病院で呼吸不全のため死去した。70歳だった。仰木監督は生涯パリーグの人だったから、あまり馴染みはない。だが、ジャイアンツが日本シリーズで、コテンパンに叩きのめされた憎っくき西鉄軍団の一員だったことはよく覚えている。

テレビのコメントなどを聞いていても、高卒とは思えない識見の高さと明朗快活な応対が印象的だった。ただ、おつむがパンチパーマ、薄い色のサングラスといった風袋が、インテリヤクザを思わせるところに違和感があったけどね。そういった印象はともかくとして、また同世代の人間が冥府に召されたという事実が、ぐっと胸に突き刺さる。明日はわが身と思うと暗然たる気持ちになってくる。長島監督にしたって、半身不随のまま、これからの人生を過ごすのだろうし、元気と勢いのあった同世代の人間が次々と倒れていくのを見聞きするのはほんとうに辛い。