にほん

「銀」は、これ一字で「しろがね」と読む。「こがね」は、金、「くろがね」は鉄、「あかがね」は銅、「はがね」は鋼、「じがね」は地金。「みやこがね」はもち米の銘柄、「ひよこがね……」で始まる童謡は「かわいいかくれんぼ」、「たがね」は鏨、「黒金ひろし」は漫画家、ものすごい博学家、「そうだがね」は関西弁だ。

「日本」の発音はニホンか、ニッポンか、長く論争されてきた問題に「答え」が出た。国立国語研究所などが実際の話し言葉を収録、分析した結果、約8200件の日本関連語で「ニホン」が圧勝した。ニッポンと発音されやすい「日本一」や「日本代表」でも「ニッポン率」は20%程度と分かった。国語研は言語研究用のデータベース「日本語話し言葉コーパス」をつくり、このコーパスを検索すると、話し言葉の実態が浮かび上がる。「日本」の発音は一例で、国語辞典やアクセント辞典でも分からないが、例えば「日本」単独ではニホンが96%に達し、複合語でも「日本一」「日本代表」を除くと「ニッポン率」は数%止まりだった。NHKは「エヌエチケー」が70%で、「エネーチケー」(13%)、「エヌエッチケー」(5%)と続き、正しいとされる発音「エヌエイチケー」はわずか3%だった。