しゃく

鉄砲洲神社

癪に障るとはよく使うセリフの一つだが、最近では尺という言葉ほとんど使わなくなったねえ。百貫法からメートル法への移行により、間尺が合わなくなってしまった。そんなわけで、距離で1里というとピンとこないけど、4キロといわれると納得できるよう、いつの間にか体質改善させられている。ただ、面積の場合だけは坪の感覚が優先していて、平米じゃあ分かりにくく、未だに、例えば200平米といえば、大雑把に3,3で割って、「そうか、30坪ってことか」、なんてようやく納得できる。

尺貫法は廃止されたが、建築関係の製品の規格は、実質上曲尺によっている。 一般的に「尺」といえば、曲尺の尺。明治24年に制定された度量衡法で、実行上10/33mと定められた。つまり、約30.303cm。 一方、現在でも和裁などでは鯨尺という「尺」が用いられている。これは、曲尺の尺の1.25倍の長さに当たる。簡単に言えば、鯨尺の1尺は、曲尺の1尺より4分の1だけ長い。これは、25/66m、約37.88cmになる。それにしても、周の時代に開発された曲尺(かねじゃく)が、土木建築用としてほとんど変化がなく今日に伝承されているというから、これは驚いてもいいことだと思うね。