むべなるかな

郁子(ムベ)

ムベという植物はアケビと対比されるつる植物で、漢字で書くと「郁子」。これから郁子さんに出会ったら、ムベさんと呼ぶことにしよう。アケビは落葉し、果実は開き、山に生えるが、ムベは常緑で、果実はふつう裂けず、主に暖地の海岸林に分布する。果実は同じく食用に。暖地の造園には冬も青々と茂るムベが、おもしろい。

「むべなるかな」は宜なるかなと書き、「いかにも」とか「ほんとうに」という意味に使われている。ムベという植物はアケビによく似ていることから、むべなるかなっていうことで、そんな名前が付いたんじゃあないかなって、勝手に推察している。

無垢、無辜、無碍、無聊、無窮、むを冠に抱く文字は何でこのように難しい字を書くのだろうか。そういえば無じゃあないけど、三鷹市に牟礼という地名、江戸時代に室鳩巣という学者、昭和になって椋鳩十なんて小説家もいたっけなあ。