せびろ

山縣有朋像

ところで普段、何気なく使っている「背広」という言葉はどこからきたのだろうか。ジャケットにズボンとチョッキを加えた三揃えも、ジャケットとズボンを組み合わせた上下服も、ジャケット単体でも「背広」という一つの言葉で言い現されている。最近ではスーツなんて言っているけれど、やはり背広って言葉の方が親しみがある。
そこで背広の語源について、ちょっと探りを入れてみることにしよう。

1)ロンドンのウエストエンドに高級注文洋服店が軒を並べるサビルロー(Savile Row)という小さい通りがあるが、この地は背広発祥の地でもあり、英国トラディショナルの、メッカといわれているこの通りの名に由来するという説である。ここで洋服を誂えてきた明治の元勲、山県有朋が自分の服を「サビルロー仕立てだよ」と自慢したのが始まりだという説もある。
2)軍服のミリタリーに対してシビル・クローズ(市民服=Civil Clothes)が訛ったもの。シビルがセビロになったという説。
3)フロックコートなどの背に対して、背広は文字通り広く裁断されているからという説。
以上3ケの語源があるとされているが、山県有朋説が一番それらしく感じられる。
(山口県萩市市民球場脇に建つ山県有朋像をインターネットから転載しました)