すだち

スダチ

スダチ」(酢橘)は大分県のカポスとともに料理の仕上げには欠かせない柑橘類だ。実が青いうちに使うのが特長、多汁で酸味が強く独特の芳香がある。徳島県原産のユズ近縁品種で、阿南市に樹齢350年以上の古木が現存している。焼き松茸の風味づけには欠かせないものとして有名だが、秋から冬にかけて料理では、スダチを半分に切ったものが出される。

「カポス」は大分県特産の香酸柑橘で、300年前から日田地方で栽培されていたという。臼杵市には古木が散在し、推定樹齢200年以上という。スダチより歴史が浅く、経済栽培されたのは昭和46年以降らしい。果実は酸が強く独特の風味があり、鍋料理やふぐには欠かせない組み合わせだ。種子のない品種も開発され、「祖母の香」と命名され売り出し中だそうだ。

「ユズ」(柚子)は中国揚子江上流に原産し、わが国には奈良時代前後に渡来し、酸の代表として重用され、万能選手として使用されてきた。古来より冬至にユズ湯に入り、柚子ミソを食べる習わしがある。食酢として香りがよいので、ジャムやケーキ、菓子類にも広く利用されている。徳島、高知が主産地だが、全国的に栽培されている。

キンカン」(金橘)は四季咲性があるが、わが国では主に7月に開花し、9〜10月にも花が咲く。果皮に甘みがあり果肉が食べられない珍しい果物である。果実は球形または短円形で、果面は滑らかで光沢があり、果皮は淡黄色、甘みが強くい。最近、農水省で種子なしの「ぶちまる」を開発した。