あげまん

つつみやのあげまん

「あげまん」という言葉、巷の好事家が隠語として使っていた一種の放送禁止用語だったが、伊丹一三監督が1990年に製作発表した5作目の映画題名に使い、一躍表舞台にデビューしてしまった。伊丹監督は社会派監督として次々と快作を発表、「お葬式」、「タンポポ」、「マルサの女」、「ミンボーの女」、「あげまん」、「マルタイの女」など話題を提供してきたが、ある日突然自裁してしまった。彼の作った映画の主役は常に愛妻の女優、宮本信子、その起用に執拗なまでにこだわっていたが、けっきょく分ったことは宮本信子様は「あげまん」どころか「さげまん」だったということだった。

「あげまん」とは男性に幸運をもたらしたり、運を向上させる女性をいう隠語だが、語源的には「あげまん」の「まん」は漢字で「間」と書き、巡り合わせや運という意味で、その運を上げることから「あげまん」になったという説が強い。だけど以前から密かに使われていたのは「上つき」、「下つき」などと同じように、女性のアソコを指す隠語の略称だったことは、いまさら説明するまでもないことだよね。