寺の名前

築地・西本願寺

お寺は寛永寺のように「寺」の付くものが多いが、光明院のように「院」が付くものもある。また成田山(新勝寺)のように「山」で呼ばれるところもある。これはお寺の格の違いではなく、お寺の長〜い正式名称に由来するもので、あくまでも「通称名」だ。
お寺の正式名称の多くが、たとえば「三緑山広度院増上寺」あるいは「金竜山浅草寺」のようになっている。昔インドや中国では、僧侶が修行する場所として世俗とは離れた険しい山が多く選ばれ、山の上にお寺が建っていた。この考えがお寺の「山号」として残り、山の上でなくても山号がある、という具合なのだ。

また僧侶が住む建物のことを「院」や「坊」と呼び、これもお寺の名前に含まれることがある。同じ山号、同じ寺号でも院号が違えば、同じ流れでも違う場所にあるお寺もある。一般的にお寺は院号や寺号(時には山号)を通称名としている。バラバラな名前でも、この長〜い正式名称を見ると、お寺同士の繋がりがわかるという。