熱中症

バンバンジー

熱中症といえば、昔の日射病のことだが、その対策は木陰で休むとか、水分を十分取るとかになる。ところがだ、その熱中症が冬にも起きていて、それもかなり頻発しているというから聞き捨てにできないのである。

冬場に自宅の風呂場で死亡する老人は年間2千人を超えるそうだが、その死因は心臓麻痺だとか高血圧だとか溺れるとかによるものが圧倒的に多いとされてきた。
ところが消防庁の調べによると、実は死因の60%は熱中症によるものだという意外な結果になったというのである。熱い風呂に入って、血圧が急激に低下して、意識を失ってしまうのだそうだ。

わたしなんかも、湯船に入ると、すぐに湯をガンガンと沸かし、熱いのをじーっと我慢して、身じろぎもしないで500まで数を数える。1から10を50回、どうしても気が逸って早くなりがちだから、10まで数えたらバンバンジーを付け加える。そうやって、汗だくになって湯船を飛び出し、ベランダへと飛び出すのだ。どうやら、これがいけないらしいのだ。

これはヤバイと思って、40度前後の温めの湯に浸ってみたが、落着かないんである。先ず、お湯に入ったという実感がないし、発汗作用がないから間が抜けていて、却って風邪でも引きそうな気配さえ感じる。それに何といっても、生きてる瞬間、つまりあのめくるめき陶酔を感じる、ベランダでの立体空間が味わえないのがとっても辛いのだ。長年身体に覚え込ませた習慣は筋金入りともいえ、これを直すのは非常に難しいことであり、さりとて風呂場でひっくり返るのも、嫌だし、本当に困ったもんだ。