笑顔

今年のオリンピックは女子選手の大活躍が目立ったけど、とりわけよかったのは彼女たちの明るい笑顔だった。柔道の谷本未歩、水泳の柴田亜衣、レスリングの吉田沙保里、浜口京子の笑顔はいずれも屈託がなくて、日本伝統の押しつぶされたような使命感のかけらさえなかった。谷本、柴田、吉田は金メダルを獲得しての笑顔だったが、ひとり浜口だけは違っていた。金メダル間違いなしのプレッシャーの中で、よもやの敗退を喫し、屈辱の銅メダルだったんである。それなのに、ダレにも増してその愛くるしい笑顔は一際会場で輝いていた。試合後のコメントも中々出来たもので、こんな素敵な女の子の父親が妖怪まがいのアニマル浜口だなんて、「とんびが鷹の子を産んだ」なんていうけれど、ゾンビが鷹の子を生んだようだ。世の中突然変異ってあるんだねえ。