◆ホームグランド

タデ

コチトラのホームグランド、木場公園。ここへ来たのは何日ぶり、イヤ何ヶ月ぶりだったろうか。一日おきに透析をやるようになり、そのない日が自由時間となるのだが、初めての重い経験をすることになり、外出にやたらと用心深くなったこともある。だけど、最大の要因は猛暑であり花ひでりであった。あのクソ暑い日中に、正常な人でさえ、青息吐息だった毎日だったのに、出掛けられるはずがない。そんなこんなで、ついつい家に引き籠もっていたのだが。

漸く猛暑が収まり、秋らしい陽気になってくると、もう我慢できない。で、早速出向いたのが、懐かしの木場公園だった。ここなら、贅沢さえいわなければ、何らかの花が咲いている。幸運なことに猛暑続きのお陰で、花の開花日が10日ほど遅れているらしい。果たして、目に飛び込んできたのは、紅白のハギの群生、風に揺られるコスモス、木陰にひっそりと咲くマンジュシャゲ、目一杯太陽に向かって咲き誇る各種ヒマワリ、色とりどりの鮮やかなダリア、白く透き通ったジンジャー、清楚なシュウメイギク、穂並みをそろえて風になびくススキ。

久し振りにカメラのシャッターを押す。案の定、最初の数枚は手ぶれが目立っていた。おそらく面と向かって、花にレンズを向けたのは、4月末以来だろうから、やむを得ないね。段々コツを思い出したものの、やはりおっかなびっくりだったのは確かである。でも、嬉しかったなあ、やっと正常な気持ちで花と相対することができたんだから。

きょうは新しいカメラも試したかったんだが、やはり使い慣れたカメラを持って行ったね。少しガタが来てるけど、こっちの方が安心だからね。新しいカメラって、機能やら倍率やらレベルアップしているけれど、なまじ多機能が付加されているので使いこなせるようになるには、時間がかかる。

木場公園は材木集積地だった堀と、それを取り囲む材木問屋や関連企業を、根こそぎ、新木場へ移動させた跡地だけに広大な広さがある。整地して周囲に樹木を植えたわけだが、まだ森と呼べるほど、樹木が成長していない。だから、森のオゾンを胸一杯吸い込むなんて芸当は出来ない。だけど、コチトラにとっては、この地は初めからそうだったんで一向に気にならない。

とはいえ、アチコチに植えられた桜も依然として若木のまんまだし、人手不足から手入れが十分に行き届いていないようだ。圧巻だったアジサイも年々衰えてきて、見る影もなくなった。マロニエの大木も幹が伐採され、無残な姿をさらしている。