◆造語

立佞武多(朝日新聞より)


最近新聞紙上を賑わせている言葉に「婚活」という造語がある。「離活」「戦国萌え」という言葉も頻繁に出始めた。「アラサー」「アラフォー」「アラカン」などという造語に比べると、短絡的でそれだけ切実感を感じる言葉だ。「アラカン」を別とすれば、すべてが女性に関する言葉で、流行語とはいえ、一瞬ぴんと来る鋭さに欠け、なんか粗雑で荒けずりの感は否めない。言葉造りの源泉が女性誌だということがボキャ貧のイメージを強調しているようだ。っていうのも、スポーツ紙では、毎日のように見出し競争が激化していて、見出し一つで売り上げが左右するわけだから、作り出す方も必死の形相なんである。「ハンカチ王子」「ハニカミ王子」「メイク・レジェンド」「侍ジャパン」など傑作も多い。

元々は30代前後を指すAround30、通称「アラサー」が起こりだったが、ドラマにて『Around40』が放送された後にいわゆる「アラフォー」ブームが起き、後に、「Around還暦(通称:アラカン)」へと派生した。around 40を略してアラフォーといい、30歳半ばから40歳前半あたりの、都会で働く女性を現わす。仕事と結婚を比較的自由に選べる時代になり、そのことが人生の転機を遅らせてしまい、将来に対する不安を抱いている世代ということになる。

ラカンとは、還暦前後の年代、つまりarounnd還暦という意味のようだ。アラカンといえば、60歳を過ぎて、「愛のままで」を大ヒットさせた秋元順子が、昨年暮の紅白歌合戦に紅組史上歴代最高齢初出場の記録をつくり、「団塊の星」といわれて注目された。アラカン、といわず、アラコキ(古希はクリアーしたけど、アラキー(?)アラキュウ(?)まで元気でがんばりたいものだ。

歴女」とは歴史好きな女性(女子)のことで、「戦国萌え」とも呼ばれている。これは歴史好きなアイドルの美甘子(みかこ)を「歴ドル」と呼ぶことから、その派生として出来た呼び方とされる。トニー・レオン金城武が出演の「レッドクリフ Part1」が2008年末に日本で公開、2009年には妻夫木聡NHK大河ドラマ天地人」の主演になったことも歴女増加の要因と考えられる。

アリージョとは蟻女とも書き、蟻のように小柄な(小さな)女性を意味する。大抵は身長155cm以下の女性をアリージョと呼ぶ。女性ファッション誌でも小柄なモデルがアリージョモデルとして注目されている通り、アリージョは背が低いことを嘲う言葉でなく、むしろ褒め言葉として使われることが多い。

夫に内緒で着々と離婚に向けて準備を進める、いわゆる「離活」に取り組む女性が増えている。年金分割を見据える熟年世代だけでなく、最近は「夫と別れて自立したい」と考える若いOLも多い。「婚活」とは結婚活動を略した言葉で、2008年3月に著書が発売されて知られるようになり流行語大賞にもノミネートされた。自分を磨きながら理想の相手を探そうというのが婚活で、女性は特に出産する年齢を気にすることがあるので、早めに理想の結婚相手と出会うことも大切になってくるんだってさ。