◆敬老の日

サルスベリ

14日は中秋の名月。連日好天気に恵まれ、夜空は深く澄み渡り、中天には真円度にちょっと足りない月が煌々と輝いていた。15日の満月が楽しみだったが、あいにくの曇りで、恥ずかしがり屋のお月さんはついに顔を出さなかった。中秋の名月はまたの名を芋名月ともいい、むかしは三宝に尾花を敷き、重ねた里芋をお供えしていたそうだ。里芋といえばイカと里芋の煮っ転がし、しばらく食べていないなあ。里芋とゴボウたっぷりの巻繊汁もしばらく食べていない。イカもゴボウも、里芋との相性抜群、まさに天の配剤ともいえる組合わせ、なんだか急に食べたくなってきた。

きょうは朝から雨がしとしと降っていて、薄ら寒い。しかも新聞が休刊日だから、なんか物足りない気持ちで食卓に向かっている。ニュースにしろ、スポーツの結果にしろ、インターネットですぐ読めちゃうんだけど、食卓で、長年新聞紙を広げるのが身についた弱み、活字を目で拾わないと、その日一日が始まらない気がする。最近の新聞って、すごく物足りない思いも強いが、それでもなんか物足りなくて寂しくなるんだなあ。いつもならスポニチを買いにコンビニまで出るんだが、わざわざ雨の中を行く気にもなれない。

きのうが敬老の日だなって思い知らされたのが、町会から配られた、お祝いの紅白饅頭2箱だ。70歳以上の住人にだけ配られる慣例で、この共同住宅には51人の住人がいるそうだが、その多くが3階のシルバー専用住宅の住人、実質的には少数民族の範疇に入るらしい。夫婦ともに健在というのは意外に少ないようで、圧倒的に未亡人(古い言葉だねえ)の方が多いらしい。普段甘い物を口にしていないから、早速ぱくついてしまったが、なんだか葬式饅頭を食べたような気がしないでもない。

敬老の日、元々は9月15日だったが、いわゆるハッピーマンデー法ができ、2006年からからは9月第3月曜日となった。この結果、9月20日や21日が敬老の日となるケースが発生することとなった。祝日法の規定により、前後を祝日に挟まれる平日は国民の休日と見なされるから、敬老の日前日の日曜日から4連休、週休2日制であればであれば5連休となる。この期間は、敬老の日が関係するので「シルバーウィーク」が誕生するとも言われている。ちなみに、今後祝日法が改正されない限り、このケースが最初に発生するのは来年となる。