◆北京五輪

北島康介・朝日新聞より

ここ数年、夏の暑さに異常さを感じる度合いが増えている。年をとるにつれてということもあるが、その感覚はいや増しているようだ。いくら暑くても数年前は平気な顔をして街中を歩いていたが、今年はダメだ。4年に1度のオリンピック開催もあるから、終日家に閉じこもって、テレビの前に座っていることが多い。座っているといえば、かっこいいが、実は寝そべって見ているわけで、むろん居眠りばかりしていることも多い。

朝早くから夜遅くまで、画面に見入っているのはいいが、そうなると、何度も同じ場面を見る破目になり、五輪以外の番組を見たくなるのだが、この期間中、NHKはほとんど五輪に集中しているから、逃げ場さえもない。民放はCMが邪魔だし、余計な素人衆がコメンテーターなどと割りこんでくるから、うるさくてかなわないので絶対に見ないことにしており、必然的に欲求不満にさせられる。北島康介の優勝シーンなど何回見ても感激を新たにするが、こうのべつ見せられると、さすがに食傷気味となる。

夜4時過ぎに寝て、9時起床、食後インターネットをいじっていると、もう眠くなってくる。10時半にうたた寝をして1時頃昼食、その後またテレビ観戦、夕食後、再びテレビ観戦。こうした生活習慣を10日ほど続けていたら、順調だった血糖値に大きな異変が生じてしまった。株価と同じように乱高下が激しさを増してきたのである。特に食事時間の間隔が短い中食と夕食前の空腹時血糖が高すぎるのだ。しょうがないから、昼の食事を3時頃に軽く取り、夕食を8時以降にずらすなどして調整し、ようやく平常値に戻すことができた。

いままでは少なくとも週に4回は外に出て歩いていたのに、この10日間は、食っちゃ寝、食っちゃ寝の生活を繰り返していたから、覿面に血糖値に響いてしまったんだ。いやいやながら、夕方頃、ボチボチ散歩するようにしたら、正常になってきた。身体を動かさないなら、1日1600calは多すぎるのだ。しかし、こうバカ暑いと、ほんと外に出るのも鬱陶しいし、いっそ、食べる量を減らしてカロリーを少なくした方がいいなんて考えも起こってくる。