◆聞いてる?

夕景

連日4月中旬の天候が続き、ぐずぐずしていた花のつぼみが一斉に開いて、楽しい季節になってきた。ハクモクレンやオオカンザクラなど、あっという間に満開となり、カワツザクラも若葉を出し始めた。ソメイヨシンノのつぼみはまだ小さいが、あっという間にふくらんでいくのだろう。この季節、困るのは着る物で、厚着して脱ぐ日もあったし、薄着して寒い思いをした日もあった。端境期の特徴で、気温は高くても、お天道様と風次第では、不安定な体感温度となる。

「このDVDの矢沢、ハイビジョンじゃないの?テレビはハイビジョンなのに、ハイビジョンで見てなかったってこと?・・・・・もったいない」、これが1作目。「矢沢ブルーレイ見て気付きました・あれね、テレビもよくないと、もったいないよね。・・・・・聞いてる?」。ともにソニーのCMで矢沢永吉が語りかけてくる。このCM、久々の快作で、やはり強く印象に残るとこがある。ブルーレイかHD・DVDか迷っていただけに、HD・DVDの一方的敗退に追い打ちをかけるインパクトがあった。

もう長いこと朝日新聞に「CM天気図」と題して、毎週1回、天野祐吉が論評しているが、近頃若干低迷中。それだけ評価できるCMが少なくなったことが、内容をつまらなくする一因だと同情している。その天野が今週取り上げたのが、ソニー矢沢永吉のCMだった。<それにしても、「聞いてる?」には笑ってしまった。CMなんてダレもちゃんと聞いていないのを承知で「聞いてる?」って聞いてくる面白さ。聞いてなかったこっちを一瞬ドキリとさせる。「あれね、テレビもよくないと、もったいないよね」という永ちゃんの言葉をそのままテレビ局の人たちに贈りたい。いまみたいな番組ばかりじゃ、「ブルーレイ」を買っても、ホント、もったいないよね>。

CMというと、サントリーソニーの天下だが、最近ソニーの好調さが群を抜いている。おかしなもので、業務が上向きになってくると、才気ある魅力的なCMが出てくる。CMを見るだけで、会社の置かれている現状が垣間見えてくる。そういう意味ではマクドナルドの好調ぶりが信じられないね。俗悪なドキツイCMを入れ替わり立ち替わり垂れ流していたけど、あんなCMを採用しているようじゃ、そんなに長続きはしないね。やはり、CMは会社を代表する顔であってほしいもんね。