アサヒる

富士山

まるで年の暮れのような慌ただしさに翻弄された、松の内があっという間に過ぎて行った。ようやく本来のスローライフに戻り、やっぱほっとしている。なれない旅やおしゃべりって、気付かないうちに体の芯まで疲れているようで、楽しみにしていたNFLプレーオフの中継録画さえも深夜ゆえに、見る気がしなかった。

久し振りに窓越しの陽光を一杯に浴びながら、転寝を決め込んでいる。日の光に頭を向けてまどろむので、転寝の成果はバッチシ出たようだね。っていうのも、正月に撮られた写真を見ると、どれもコチトラのハゲチャビンが小気味よく焼けていた。改めて転寝の効用を思い知った次第だが、どうやら、閑人の勝手な自己弁護って気もしないではない。

昨年末、『ネット流行語大賞』が発表され、「アサヒる」が年間大賞金賞を受賞した。(こんな賞があったのも知らなかったし、「アサヒる」なんて言葉も初めて聞いた)。 「アサヒる」とは捏造の意味を指し、 朝日新聞が勝手に物事を作り上げることから生まれた言葉。誰も使っていない「アベする」という言葉をあたかも流行っているかのように作り上げたのが、世間に「アサヒる」を広めた原因のひとつと思われる。 インターネットだけでなく多媒体にわたってマスコミに浸透した影響が大きいだろう。

そして銀賞には「スイーツ」という用語が入選。ケーキやお菓子といえばいいのに、あえてオシャレな感じを装ってそれらを「スイーツ」とよぶ女性たち。そんな彼女たちに対する男性の冷ややかな目から生まれたと思われる流行語だ。「スイーツな女」「スイーツ脳」など、さまざまなシチュエーションで使えるので、定番化しそうな用語ともいえるだろう。

また、銅賞には「ゆとり」が入選。この用語は文部科学省が制定したゆとり教育が語源。「甘やかされた世代」という意味が込められており、「最近の若い世代は……」という時にもちいられる。若者世代の蔑称となってしまったこの言葉が見事に選ばれたわけだ。

こうしてみてみると上位3つに共通するのはすべて「皮肉の入った蔑称」だということ。それだけ教育問題やマスコミ問題などが、ネット上で話題になることが多いということだろう。最近あまりネットサーフィンをしなくなったので、ちょっと時代遅れになってしまったという気がしないでもない。