◆すか

リコ

スカって言葉だが、思いつくものに、どんなものがあるだろうか。「スカを食う」っていうと、滓を食わされるっていう業界用語が一般にも知れ渡ったようだし、「スカッとさわやかコカコーラ」は長い間コマーシャルに使われていて、なんとなくインチキ臭かった、コカコーラのイメージを日本全国に浸透させた功績は大きいよね。

スガシカオ」は有名歌手の作曲や編曲を手掛けたり、自作の歌を唄ったりと多彩な才能はあるけれど、どちらかといえば中途半端な芸能人である。なんて思っていたら、大ヒットしたSMAPの「夜空の向こう」を作詞作曲したり、NHKの人気番組「プロフェッショナル」の主題歌を歌ったりして、すっかり出世してしまった。

スカパラ」は東京スカパラダイス・オーケストラの略で、ど派手な衣裳で、トランペットやサックスやトロンボーンを陽気に吹き鳴らすラテン音楽専門の楽団だ。スカパラの語源となったのは「SKA」で、カリブ海に浮かぶスカ島という小島で生まれたジャマイカ産のR and Bのことをいう。カリプソ、マンボ、チャチャチャ、ルンバなどがクロスオーバーされたフュージョンで、2拍目と4拍目に、スチャッツ、スチャンとギターなどの弦がリズムを強調するのが特長だ。

「すかしっ屁」は年のせいか失敗すると、身が出たりして、どえらいことになってしまう。「身から出た錆」とはいえ、辛く切なく、絶望的気分になる。泣く子をすかすと言って、泣く子をなだめる意味で使ったりすることもあるようだ。腹を空かすは今更説明する必要はないし、透かすは隙間を作るとか、物を通して見るなどの意味があるよね。安物のリンゴをかじっていて、スカスカだったりすると、あったまにくる。

横須賀のことを気障たらしく、スカって呼んでいたこともあった。ちょっとスカまで行ってくるわ、なんてね、その不良っぽいとこがよかった。「スカット」っていう清涼飲料水(この言葉も懐かしい)もあったっけなあ。この名前はマスカットとスカットとを、語呂合わせしてつけられたんじゃないかな。上手いんだか、不味いんだか、なにかスカッとしない飲料だったような気がする。広辞苑では「すか」を当てが外れることと断定しているが、本当にそのように使われてるかなあ、天下の広辞苑といえども、ちょっと信用できない気がする。