液晶テレビ

フクシア

10年ほど前の正月に、その前のテレビが壊れてしまい、慌てて電気屋に飛び込み購入したのが、いま茶の間で見ているテレビだった。画面が暗くなり、山田洋次のように暗闇の撮影を得意にする映画なんかほとんど見えない。しかも、日の光を反射するから、天気のいい日は朝からカーテンを降ろしてテレビを見ることになる。むろん変換装置をつけているけど、当然の如くアナログである。そんなこんなで、思い切って31型の液晶テレビを購入、そのあまりにも美しい画面を楽しんでいたのだが。

「なんということでしょう」、BSの録画ができなくなってしまったのだ。折から芸術の秋、NHKではNHK音楽祭が盛大に開催されるっていうのに。あの美しい画面をクラシック番組で録画して、ゆっくり秋の夜を楽しもうと思っていたのにである。なんたるチア、サンタルチア、惨憺たるものとなった。
色々調べてみたら、原因はビデオにあった。10年ほど前に買った我が家のビデオはデジタル画面の録画ができないモノクロ専用機だということが分かったのだ。

買い替えるしかないと、近所の家電量販店に行ってみたら、デジタル専用機はほとんどがDVD主体となっており、録画できる機種は安いもので10万円、中級品で20万円前後もすることが分かった。しかも、今後の主体となるものがソニー・松下連合のブルーレイかビクター・日立連合のVHSかも決まっていない。うっかり先物買いをすれば、ババを掴む可能性もある。そのうえ、ビデオとDVD併用の機器は数少ないときている。ほんと、やになっちゃったよ、時代の波に取り残された思いをまざまざと感じたね、トホホ。