◆静岡と広島

静岡と広島、この2つからピンと来る人は地元の人か事情通だろうか。食品や日用品などの新製品を全国で発売する前に、消費者の反応等を調べる「テスト販売」がよく行なわれる2県である。静岡や広島は市場の動向や消費者の購買力、その他の統計データが全国平均に近く、また地理的に山もあれば海もある、都会もあれば田舎もある、いわば日本の縮図というわけだ。

さらに東京や大阪といった大都市から適度に離れており、地元の小売店や卸業者、新聞社や放送局が強いという独立性もあり、最適なテストエリアと考えられている。この2県で売れれば全国でも売れる!ということで、静岡や広島で成功して全国展開する新製品がある一方、静岡や広島でしか売られなかった新製品というのも数多い。ちなみに札幌や宮城、岡山や福岡でテストが行なわれることもあるが、静岡や広島ほどではないという。(以上、重箱の隅から)

両市ともたまたま政令指定都市に入っているが、新参者の静岡はこの指定を得るために、かなり強引な合併を繰り返した。政令指定都市になると、都道府県とほぼ同一の財政上の権限を得ることで地方交付税や道路整備関連の財源が増え、保健福祉や教育などの事務が県から移譲される。指定都市になるための法的要件は人口50万人以上だが、概ね人口70万人〜100万人以上の都市が指定を受ける。