雨ずくし

アジサイ

春の雨

春霖(しゅんりん)。菜種梅雨ともいい、春まだ浅い芽吹きの頃、静かに降る春の長雨のこと。春雨・木の芽雨・花の雨・桜ながし・催花雨(さいかう)などとも言う。3月の末から4月にかけて移動性高気圧が、日本列島の北に偏って東へ通るとき、南岸に沿って前線が停滞し、雨の降り続くことが多い。春のたけなわを期待させる待ち遠しい雨だ。

春驟雨(はるしゅうう)。春に降るにわか雨のことで、雷をともなうことがある(春雷)、春時雨(はるしぐれ)とも言われている。

卯の花腐し(うのはなくたし)。春雨と五月雨の間に降る雨(五月雨の別名とも言われている)。陰暦四月の別称が「卯の花月」とわれるところから由来する。

夏の雨

五月雨・梅霖(ばいりん)。陰暦の五月(今の六月)に降る雨のことで「梅雨」のこと。

虎が雨・虎が涙雨・曽我の雨。陰暦五月二十八日に降る雨のことを言う。1193年のこの日、曽我兄弟による父のあだ討ちがあったことから

夕立。急に降り出してすぐに止んでしまう雨のこと。白雨(はくう)・村雨(むらさめ)・群雨・にわか雨とも言う。