民法

いささか旧聞に属するけれど、法務省民法全文を現代語にする方針を決めた。
なんと1896年制定のオンボロ民法をいままでほったらかしにしていたわけだ。
文句をつけるのが商売の検察官や弁護士から、長い年月たいした苦情もなかったってことは、しょせんはエリートたちが、毀誉褒貶もせず、同床異夢で惰眠を貪っていたってことだ。
古い言葉の置き換えも同時に行うようだが、「木戸銭」が入場料、「僕婢」が家事使用人、「厠杭」が屎尿溜、「旅店」が旅館、「溝渠」が溝、堀になるという。
屎尿溜」なんてのもおかしな言葉だねえ。
なにも気取らなくて肥溜めでいいじゃあないかねえ。
囲繞地」なんて訳のわからない言葉はその土地を囲んでいる土地、「旅客其従者及ヒ牛馬ノ宿泊料」は単に宿泊料に改めるという。
牛馬の宿泊料なんて牛馬を交通手段に使っていた時代の言葉、よくもこんな時代遅れの言葉をいままで残してきたもんだ。
こんな調子じゃあ、民法の原文だって時代錯誤のものが多いんじゃあないかと思うが、今回の改正は内容には一切触れないそうだ。
なんとも御気楽なお役所仕事、呆れっちまうよなあ。