東京砂漠

豊洲界隈は再開発ブームの真っ只中、工場跡地が次々と掘り返され、工事の槌音が響き渡っている。広大な野原が広がり、現時点では極めて視界良好、まるで戦後の焼け跡を見るような殺伐たる雰囲気である。砂塵が舞い散り、空をグレーに染め上げ、太陽が黄色く見えるほどだ。だが、ちょっといいこともあった。晴海で打ち上げられた東京湾大華火祭がわざわざ近くまで行かなくても、左うちわで見られたことだ。ただ、それも今年が最後となりそうだ。来年夏には高層ビルが林立し、ヒートアイランドとなっているに違いない。