◆おかあさん

赤ちゃん

孫ジュリが1歳を迎え、片言をいえるようになり、覚束ないながらも歩き出すようになった。月1ぐらいのペースで息子の家と我が家を行ったり来たりで過ごしている。まだ毛が生えそろっていないから、まるで男の子のよう、孫リコと違って、至って活発、家の中を歩き回っては片っ端から触ったりなめたりして、母親を冷や冷やさせている。黒目がちの目はいつも興味津々と輝いている。かなりのいたずらっ子になりそうである。

ところで、写真を撮るのに、「ジュリチャン、パパの方に行って」って指示したら、嫁さんに「家ではパパ、ママではなくて、おとうさん、おかあさんといわせているんです」っていわれた。当たり前のことを当たり前のようにいわれて、はてなって思ってしまったね。確かにオレたちの世代は、おとうさん、おかあさんが当たり前で、人前では父、母といい、長ずるに従って、おやじ、おふくろって言っていたなあ。もっとも、にょうぼは未だに、母のことを「おかはま」っていっている。「おとう様」「おかあ様」っていっていた、よき時代の名残だろうねえ。

それが今じゃにょうぼのことをママ、にょうぼはオレのことをパパと呼んでいる。これってムスコ達が生まれてから、そう呼び合うようになったんだよなあ。まともに考えてみれば、確かにおかしいとは思うが、長い習慣でそうなってしまったし、使ってみれば便利な言葉でもあった。じいさん、ばあさんがパパ、ママなんて呼び合っていると、傍目で見たらおかしいと思うだろうなあ。

閑話休題、赤子の時代からおとうさん、お母さん、って呼ばせるのは日本的で正しいとは思うが、舌ったらずの赤ん坊には、長ったらしいし、言いにくそうだね。略せば「おとう」「おかあ」ってことになってしまうから、野暮ったいし、いっそ父、母と呼ばせたら短くていいんじゃないかっていおうとして止めた。余計なお世話だもんね。